ビジネスに役立つ「商売の日本史」

レオスキャピタル藤野さんの本を読んだ。これが二冊目。

私は歴史が好きなので、経済史みたいなのをざっくり解説してくれてそうな本書を選んだ。

筆者は仮説として「日本の歴史はウミヒコとヤマヒコを行き来する」ということを言っている。

ウミヒコは外の世界と交流し経済が発展する時代、ヤマヒコは中央集権的で管理に重きがおかれている時代のことだ。

例えば典型的なヤマヒコは江戸時代だ。鎖国という形で国を閉ざしている。他にも戦後の高度経済成長期もヤマヒコだ。ヤマヒコの特徴に道路を整備することがある。江戸時代の五街道や戦後の公共工事がよい例だ。

反対にウミヒコの時代は、開国した明治時代。諸外国と交易することで国を開いた。日宋貿易勘合貿易もヤマヒコの時代だ。中国と交易し経済を発展させた。

日本は島国という特性もあり、外国と交流した時代と国内に重点を置いた時代が交互にきている。今はちょうどヤマヒコからウミヒコへの転換点だろう。そういう意味で終身雇用や年功序列が崩れていくのは当然のことかもしれない。

本書を読んで、今あることが当たり前ではないと改めて認識させられた。日本人はシャイで仲間意識が強いなどと言われるが、外国に積極的に出ていった明治時代、個人で立身出世が可能だった戦国時代などは、そのようなイメージとはかけ離れた日本人がいるだろう。今の日本は戦後の延長だということ。戦前の日本を勉強すれば、今のおかしいところや直すべきところが見えてくるかも知れない。

さらばGG資本主義

標題の本を読んだ。

以前からひふみ投信で有名な藤野英人さんの本を読んでみたいと思っていた。

印象的だったことをいくつか列挙する。

・起業とはいきなり理想を掲げ、でかい塔を立てるイメージではなく、社会の小さな穴を埋めていくイメージ。

→生活しててもっとこうしたらいいなとか、こういうサービスあったらいいなって思うことを実現していくとこが起業なんだと知った。

・どんな人材になって欲しいか三つあげている。1.ベンチャーの虎 2.ヤンキーの虎 3.サラリーマンの虎

→虎とは自分で動いて捕食する動物。今までの慣例にとらわれず自分の考えで動ける人材になって欲しいうこと。例えば金融庁の森元長官。

 

筆者によるとだんだんと日本は変わってきているらしい。新たな価値を産み出すために、若い人にバトンを渡せと主張している。

GW10連休

GW10連休が終わった。

昨日まで空いていた電車も今日から混んでいる。休日と平日でこんなに差があるものかとびっくりする。

ニュースでは、令和の初日、「明治神宮御朱印帳に10時間の行列ができている」や「 免許センターの更新がとても混んでいる」とあった。

みんな休んでいて時間があるのだ。

働き方改革と言われる中、まだまだ日本は同じ時間に出勤し、同じ時に休む社会は変わってないと実感したGWであった。

カブトムシの幼虫プレゼント

GWの朝9時、開店前のショッピングモールの前を通ると、10組くらいの親子が◯◯レ ンジャーと写真をとれるというイベントに並んでいた。

 

そういえば自分もこどものころ、父とGWの開店前のジャスコにカブトムシの幼虫プレゼントに並んだ記憶がある。当時はすごい大行列だった。

 

今もあるのか調べてみたら、全国いろいろまだやってるみたい。男の子には人気のイベントなんだろうなって思う。

NHKスペシャル

平成シリーズを見た。今回はネット編。

たしかに平成30年で一番変わったものといったらネット環境とデバイスだろう。有線から無線へ。パソコンからスマホへ。今やネット環境なしには生活が成り立たなくなっている。

 

番組でとりあげていたことの一つに「WINNY」の話があった。WINNYは無料ネットワークシステムみたいなもので、お互いのパソコンに入っているデータをダウンロードしあえるというもの。映画の海賊版も無料でダウンロードできるので、当時ものすごく流行ったが同時に大問題にもなった。ある少年は父親の家のパソコンでWINNYを使っていたら、父親の仕事の重要なデータが拡散されてしまい、父親は会社をくびになった。私の世代もたしかカボスというWINNYと似たようなソフトが流行っていた。使わないようにというお触れが回っていたように記憶する。

 

番組で驚いたことは、WINNYの理論は仮想通貨の理論と一緒だということだ。GAFAのような巨大なサーバーで全ての情報を一元管理するのではなく、無数にあるパソコン同士をネットワークで繋ぎ、その輪の中で情報を管理するという。仮想通貨はマイニングという作業があり、個人が新しく通過を掘ることができる。中央銀行のいらない仕組みだ。WINNYもどこか特定のデータベースで情報を管理するのではなく、お互いのパソコンネットワーク上で情報を管理している。手塚治の漫画を読むと、巨大なビックサーバーが人間を管理している未来が描かれているが、現実はその想像の上を行っていたということだろう。

 

惜しむべきはWINNYを開発した日本人が亡くってしまっていること。時代がその発想に追い付かず、刑務所に入れられていたらしい。出所はしたようで、仮想通貨の産みの親サトシナカモトはもしかしたら彼かもしれないと言われている。

 

話は変わるが、この番組を見て同時に「物事には原因がある」ということを改めて知った。仮想通貨もどこかの誰かがいきなり思いついたのではなく、その何年も前から同じ理論を用いていたWINNYが流行り、衰退し、産まれたもの。2014年の頃のイスラム国もいきなり出てきたのではなく、アメリカのイラク戦争の報復だということ。アメリカの刑務所で囚人が着せられていたオレンジ色の服を、今度はアメリカ人に対して着せていたのが象徴的だ。

 

 

セブン&アイ 2分の1ルールに

日本食糧新聞 4月12日一面

「セブン&アイ食品ロス削減 2分の1ルールに」

 

食品業界になじみがない方はわからないと思うが、食品業界には「3分の1ルール」というものが存在する。

 

製造から賞味期限までをメーカー、小売、消費者で3等分しようというものだ。

例えば賞味期限6ヶ月の商品を考える。まず、メーカーは小売りに製造から2ヶ月以内に納品しなければならない。これが最初の3分の1だ。小売りは納入期限を過ぎたものに関しては返品することができる。小売りにしてみれば賞味期限があと4ヶ月しかないのに販売できないということだ。

 

そして不思議なことに店頭に並べてから2ヶ月たっても(次の3分の1)返品できるらしい。おそらくコンビニなどで、値引きシールが貼られていないのは、この理由からだ。買い取りではなく返品可能な契約で仕入れているのだろう。賞味期限の3分の2が経ってたら返品できるということは、小売側からしたら、賞味期限の近い商品を管理しなくてすむので作業は楽になる。

 

問題はこの3分の1ルールが食品ロスに繋がっているのではないかという懸念だ。今回の2分の1ルールへの変更もロス対策としてである。メーカーに返品された商品は、ディスカウントショップに激安で卸すか、最悪廃棄していたらしい。賞味期限とは「おいしく食べられる期限」なので、賞味期限内の商品はまず問題ない。しかし、実際は廃棄されていたということだろう。

 

今回、セブン&アイの2分の1ルールでは、製造から賞味期限の半分の期間までに商品を納めるというもの。つまり、2分の1ルールに変えたとしても、店は賞味期限の半分以上残されている状態で陳列することができる。

 

食の安心・安全は年々厳しくなっていく。一方で、厳しすぎるがゆえの食品ロスも起きている。持続的な社会にしていくために、食品の問題は改善の余地がある。

バイス

vice-president の映画を見た。

ディック・チェイニーは、2000年から2009年まで、ジョージ・W・ブッシュ政権時の副大統領を勤めた人物だ。

特に9.11からイラク戦争にかけて、副大統領として暗躍したいたというもの。

 

私はあまりアメリカ政治についての知識はない。しかしアメリカの史実に基づいた映画は好きだ。リアルで勉強になる。それは7年くらい前に「アルゴ」という映画を見たことがきっかけだ。「アルゴ」は1970年代にイランからアメリカ人を脱出させる作戦のコードネームだ。ハリウッド映画の撮影と称して、CIAの人間をイラン国内に潜入させ、大使館の人間を一緒に脱出させたのだ。

 

今回のバイスも自分の知らない世界の話で、しかもそれはファンタジーではなくて、とても面白かった。