セブン&アイ 2分の1ルールに

日本食糧新聞 4月12日一面

「セブン&アイ食品ロス削減 2分の1ルールに」

 

食品業界になじみがない方はわからないと思うが、食品業界には「3分の1ルール」というものが存在する。

 

製造から賞味期限までをメーカー、小売、消費者で3等分しようというものだ。

例えば賞味期限6ヶ月の商品を考える。まず、メーカーは小売りに製造から2ヶ月以内に納品しなければならない。これが最初の3分の1だ。小売りは納入期限を過ぎたものに関しては返品することができる。小売りにしてみれば賞味期限があと4ヶ月しかないのに販売できないということだ。

 

そして不思議なことに店頭に並べてから2ヶ月たっても(次の3分の1)返品できるらしい。おそらくコンビニなどで、値引きシールが貼られていないのは、この理由からだ。買い取りではなく返品可能な契約で仕入れているのだろう。賞味期限の3分の2が経ってたら返品できるということは、小売側からしたら、賞味期限の近い商品を管理しなくてすむので作業は楽になる。

 

問題はこの3分の1ルールが食品ロスに繋がっているのではないかという懸念だ。今回の2分の1ルールへの変更もロス対策としてである。メーカーに返品された商品は、ディスカウントショップに激安で卸すか、最悪廃棄していたらしい。賞味期限とは「おいしく食べられる期限」なので、賞味期限内の商品はまず問題ない。しかし、実際は廃棄されていたということだろう。

 

今回、セブン&アイの2分の1ルールでは、製造から賞味期限の半分の期間までに商品を納めるというもの。つまり、2分の1ルールに変えたとしても、店は賞味期限の半分以上残されている状態で陳列することができる。

 

食の安心・安全は年々厳しくなっていく。一方で、厳しすぎるがゆえの食品ロスも起きている。持続的な社会にしていくために、食品の問題は改善の余地がある。