NHKスペシャル

平成シリーズを見た。今回はネット編。

たしかに平成30年で一番変わったものといったらネット環境とデバイスだろう。有線から無線へ。パソコンからスマホへ。今やネット環境なしには生活が成り立たなくなっている。

 

番組でとりあげていたことの一つに「WINNY」の話があった。WINNYは無料ネットワークシステムみたいなもので、お互いのパソコンに入っているデータをダウンロードしあえるというもの。映画の海賊版も無料でダウンロードできるので、当時ものすごく流行ったが同時に大問題にもなった。ある少年は父親の家のパソコンでWINNYを使っていたら、父親の仕事の重要なデータが拡散されてしまい、父親は会社をくびになった。私の世代もたしかカボスというWINNYと似たようなソフトが流行っていた。使わないようにというお触れが回っていたように記憶する。

 

番組で驚いたことは、WINNYの理論は仮想通貨の理論と一緒だということだ。GAFAのような巨大なサーバーで全ての情報を一元管理するのではなく、無数にあるパソコン同士をネットワークで繋ぎ、その輪の中で情報を管理するという。仮想通貨はマイニングという作業があり、個人が新しく通過を掘ることができる。中央銀行のいらない仕組みだ。WINNYもどこか特定のデータベースで情報を管理するのではなく、お互いのパソコンネットワーク上で情報を管理している。手塚治の漫画を読むと、巨大なビックサーバーが人間を管理している未来が描かれているが、現実はその想像の上を行っていたということだろう。

 

惜しむべきはWINNYを開発した日本人が亡くってしまっていること。時代がその発想に追い付かず、刑務所に入れられていたらしい。出所はしたようで、仮想通貨の産みの親サトシナカモトはもしかしたら彼かもしれないと言われている。

 

話は変わるが、この番組を見て同時に「物事には原因がある」ということを改めて知った。仮想通貨もどこかの誰かがいきなり思いついたのではなく、その何年も前から同じ理論を用いていたWINNYが流行り、衰退し、産まれたもの。2014年の頃のイスラム国もいきなり出てきたのではなく、アメリカのイラク戦争の報復だということ。アメリカの刑務所で囚人が着せられていたオレンジ色の服を、今度はアメリカ人に対して着せていたのが象徴的だ。